成田・台北便などで誘致活動/県、下地島空港に
座喜味氏一般質問
【那覇支社】県議会(新里米吉議長)6月定例会で21日、各会派の一般質問が始まった。宮古島市区選出の座喜味一幸県議(沖縄・自民党)も登壇し、下地島空港の利活用や着陸料低減、国家戦略特区として認められた農業での外国人就労支援人材受入事業、来年度予算などについて質問した。県からは、三菱地所が進める下地島空港でのターミナル整備に関連し、成田や関西、台北や香港などからの定期便就航を目指して誘致活動を行っていることなどが報告された。
座喜味氏が、那覇空港の着陸料低減を挙げて下地島空港で着陸料・訓練使用料引き下げを求めたのに対しては、上原国定土木建築部長は「着陸料は条例で県内空港全てに適用されている。下地島空港も同様な取り扱いを行う」と述べ、着陸料の低減に否定的な見解を示した。訓練使用料については、謝花喜一郎副知事が「バニラ・エアが県に要請している。使用量を多くするなかで、料金の低減を行いたい」と答弁した。
農業での外国人就労支援人材受入事業については、翁長雄志知事が「一定の知識と技能を持つ外国人材を、希望する農業経営体に派遣する制度となっている。関係機関等と連携し、本事業を円滑に実施するため、必要な措置を実施していく」と述べた。
来年度予算については、金城弘昌総務部長が「市町村や関係団体等の意見を聞きながら、大型MICE施設整備にかかる予算を含め所要額を精査している」と説明した。
座喜味氏が「MICEを2~3年で完成させるには、(一括交付金のソフト交付金で)1年間で250億円相当が必要になる。観光や離島振興を含めた事業が圧縮される。(ソフト交付金と)別枠でもMICE関連予算を確保する覚悟がないといけないのではないか」と指摘したのに対しては、嘉手刈孝夫文化観光スポーツ部長が「MICEは経済界からも強い要望がある。是非、一括交付金を獲得できるようにしたい」と述べるにとどめた。
農地法に関連する事務の市町村への権限移譲について、座喜味氏が「土地利用の変化に対し、農地の転用などが阻害要因になっていると多くの企業からの声がある」などと指摘して早期の権限委譲を求めたのに対しては、島尻勝広農林水産部長が「宮古島市は人員体制の方も課題と聞いている。意見を聞きながら対応していきたい」と答えた。
農業での収入保険制度については、島尻部長が「自然災害や価格低下による収入減少を保証しセーフティーネットの役割を果たす制度」とした上で、農業者への普及啓発に取り組む姿勢を示した。