戦後73年、平和誓う
沖縄全戦没者追悼式
【那覇支社】戦後73年目の「慰霊の日」を迎えた23日、太平洋戦争末期の沖縄戦で最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園で県主催の沖縄全戦没者追悼式が行われた。式典には翁長雄志知事、新里米吉県議会議長や、安倍晋三首相、遺族ら約5100人が出席し、戦争の犠牲者を慰霊するとともに平和への決意を新たにした。翁長知事は、辺野古移設の現行計画の見直しを求めた。
翁長知事は平和宣言で、「20年以上前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのか」と述べ、日米両政府に対して「現行計画の見直しをするべきではないか」と指摘した。
また、政府が進める普天間飛行場の辺野古移設については「民意を省みず工事を進めている現状は、基地負担の軽減に逆行している」と批判し、「辺野古への移設反対という決意に揺らぐことはない」と訴えた。
安倍首相は、沖縄に米軍基地が集中する現状について「基地負担を減らすため、一つ一つ確実に結果を出していく」と述べた。その上で、今年3月に嘉手納以南の西普天間住宅地区跡地が返還されたことに触れ「今後も『できることはすべて行う』。沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と表明した。
今年の「平和の詩」は、浦添市立港川中学3年の相良倫子(さがらりんこ)さん(14)が、自作の「生きる」を朗読した。相良さんは「平和とは、あたり前に生きること。その命を精一杯輝かせて生きることだ」と力強く発表した。