農家に節水呼び掛け/土地改良区、市
砂川ダム貯水率52%
宮古土地改良区と宮古島市は2日、市役所平良庁舎で会見を開き、地下ダムの水を使用する際の節水を呼び掛けた。具体的にはスプリンクラーの散水量を現在の10㌃当たり30㌧から15㌧にするほか、夜間の散水停止などを求めている。砂川地下ダムの貯水率は2日現在で52%。40%まで落ち込む事態になればファームポンドごとに給水停止措置を取る方針も示した。
土地改良区の下地敏彦理事長(市長)や多良間雅三専務理事、石嶺明男事務局長、市農林水産部の松原清光部長らが会見を開いた。
会見では、5月8日から6月23日まで宮古島地方の降水量が少ないことを強調し、ダム流域の降水量も砂川ダムで68㍉、福里ダムで132㍉にとどまっていることなどを報告した。
一方で地下ダムの水の使用量はぐんぐん上昇。今の使用量(砂川ダムで日量8万㌧、福里ダムで同5万8000㌧)が続くと、砂川ダムが8月中旬、福里ダムでも10月中には取水ができない「死水位」に達するとして今回の会見に至った。
節水の方法は①サトウキビ圃場への散水量を10㌃当たり30㌧から15㌧にする②その他の圃場も1回の散水量を減らす③夜間(午後10時から午前6時)はかん水をしない④同じ圃場で数ライン一度に散水しない⑤スプリンクラーは角度調整を行い、道路等へ散水しない-こと。この五つを守るよう農家に呼び掛けた。
このまま雨が少ない状況が続き、仮に貯水率が取水困難になる前の40%まで落ち込んだ場合は部分的に給水を停止。ファームポンドごとに週単位で止める。
下地理事長は「今まで通りの使い方では断水せざるを得なくなる。限りある水を賢く、長く使ってもらいたい」と要望。今後、宮古本島及び伊良部で散水面積が広がることにも触れ、賦課金(地下ダム農業用水の使用料)の基本料に使用した水量を加算する従量制の導入にも理解を求めた。