募集停止、12日に結論/伊良部高校
次年度の入学生ゼロへ/県教育庁が地元で説明会
県教育庁は3日、県立伊良部高校の生徒の父母や地元2団体に対し、改めて2019年度の入学生の募集を停止せざるを得ないとする意向を伝えた。取材に応じた教育庁の担当者は、募集の停止に係る議案を12日に開く教育委員会の会議に提出する方針を示した。募集を停止するか否かの判断は、ここで下される。
教育庁は先月5日、地元で説明会を開いて同様の方針を伝えている。この中で出た意見や要望を踏まえて検討を重ねたが、生徒の教育環境を考える上で募集の停止はやむを得ないとする判断に至ったという。
これらの検討結果を3日午後、改めて関係者に伝えた。はじめに「伊良部地区地域づくり協議会」の比嘉臣雄会長と「伊良部高校を存続させる会」の中村雅弘会長と面談し、議案提出などの流れを説明した。
非公開の面談後、教育庁の担当者が取材に応じ、12日の教育委員会の会議に関連議案を提出する方針を説明。「教育環境を考えてのこと」と理由を挙げた。
これに存続させる会の中村会長は「まだ検討段階であり、了承することはできない」と取材に答えた。近く会のメンバーで話し合いを持って対応するという。
一方、地域づくり協議会の比嘉会長は「決めたことであれば仕方ないが、この学校をどうするのかを考えてほしい」と要望。「(今回の措置で)先生方や生徒が後悔しないような配慮も必要だ」と強調した。
午後6時すぎからは保護者を対象とする説明会が同校で開かれた。参加者は10人未満と少なかった。
参加者によると、入学募集の停止に関して反対の意見はなく、今の1、2年生の教育環境に関する質問が多かったという。
会場では意見・要望を書き込む用紙が配られた。説明会に参加できなかった家庭にも後日配布し、在校生および父母の要望を募る。
同校PTCA会長の友利真海さんは「今の1、2年生の教育環境がしっかり守られるよう最大限の配慮を求めた。子どもたちが平等に学べる機会を確保することが大切だ」と語った。
また、「子どもが次年度まで不安を抱えたまま勉強するようなことがあってはならない。子どもたちが何を望んでいるのかを把握した上で私たち大人も要望していきたい」と話した。