県出身初の全国学士会長/真栄城さん(沖縄メディカル会長)就任
【那覇支社】平良西里出身で沖縄メディカルグループ会長の真栄城徳佳さん(86)=那覇市在住=が、県内で初めて全国日本学士会(本部・京都府)の会長に就任した。6月29日の総会で全会一致で選任された。第11代会長となった真栄城さんは「学士会の、これまでの輝かしい伝統と実績の、さらなる継続・発展に尽くしたい」と意気込みを語った。
全国日本学士会は、教育や学術、文化の振興に寄与することを目的に、1946年に設立。歴代会長に京都大学や東海大学の元総長らが名を連ね、初代理事長にはノーベル物理学賞を受賞した故湯川秀樹氏が就任していた。
同学士会では、文化や社会、国際交流の各分野で優れた功績のあった人を毎年顕彰する。真栄城さんは開院した耳鼻咽喉科の医師として、1日400~500人の患者を診察したほか、35年間年中無休で診療するなど、地域医療の充実に貢献したことが認められ、90年に同学士会のアカデミア賞(医学)のほか、91年にアカデミア大賞(同)、92年には学術功労者賞を受賞している。
真栄城さんは、92年に学士会副理事長に就任以降、96年から理事長や副会長を歴任し、今年、学士会創立70周年を迎える節目に会長就任となった。全国の会員数は現在、約1000人。沖縄支部は93年に発足して今年25周年を迎え、約100人の会員がいる。
学士会では、「国際平和には国際交流」「科学技術の進歩には産学交流」「社会の発展には異業種交流」を基本理念に掲げる。真栄城さんは「この三大交流の理念は、人間中心の精神文化が求められる今の時代にこそ、ますます重要性を増す」と強調。その上で、「その理念を心柱にして、これからチャンプルー交流を広めていきたい」と話した。
宮古の後輩たちには「誠実に生きて、言ったことは必ず実行する。物事を損得で判断することなく、世の中の善悪で考えてほしい」とエールを送った。