避難所に市民や観光客/台風8号
10日昼で45世帯60人/不安な時間を過ごす
台風8号の接近に伴い宮古島地方には10日午前0時25分に暴風警報が発令され、それに伴い9カ所が避難所として開設された。午後0時21分現在で45世帯60人が安全確保のために避難所に訪れ、窓の外で吹き荒れる強い風の音を聞きながら、不安な時間を過ごしていた。
暴風警報の発令を受けて、市では10日の午前0時45分に平良庁舎や城辺庁舎など8カ所で避難所を開設。午前1時5分にはJTAドーム宮古島も避難所として開設した。
さらに、午前8時30分には、市全域の2万5098世帯、5万5006人に「避難勧告」を発令。木造住宅やプレハブ住宅など危険と感じた場合は最寄りの避難所に避難するよう市民に呼び掛けた。
平良庁舎には正午現在で22世帯24人が避難していた。
午前10時ごろに避難してきたと話す60代の女性は「家は古いし、一人暮らしで不安だったので避難してきた。台風14号(2003年)の勢力と同じと聞いていたので避難所の方が安心できると思った」と話した。
この日は空の便も全便欠航となり、大きなスーツケースを抱えた観光客も避難所に訪れていた。
京都府と大阪府から観光で訪れていた20代の女性2人組は「関西直行便で帰る予定だったのに欠航になったので避難所で過ごすことにした。11日の便もすでに満席なので朝からキャンセル待ちをしたい。もし乗れなかったら11日は空港で宿泊するしかない」と話した。
そのほか、50年に一度の記録的な大雨となった5日に、床下浸水や土砂崩れが発生した城辺でも正午現在で9世帯12人が城辺庁舎に避難した。
福里に住む80代の女性は「台風14号の時の強さだと聞いて怖くなって避難してきた。家も古いし避難所の方が安心して過ごせるので早めに来て良かった」と話した。
避難勧告とは、市町村長が災害対策基本法に基づき、災害発生の恐れがある地域の住民に避難を促すもので、災害時に住民に避難を呼び掛けるために発令する。緊急性は「避難準備情報」「避難勧告」「避難指示」の順に高くなる。いずれも強制力はない。