技術者育成で初授業/EV整備
宮工自動車機械システム科
市と連携し今年度から電気自動車(EV)やハイブリッド(HV)車の整備技術者育成のためのカリキュラム作りに取り組むこととなった宮古工業高校(金城透校長)で9日、試験的授業が初めて行われた。自動車機械システム科3年生23人が日本工科大学校(兵庫県)の講師からEVとHV車の基礎について実習と講義で学んだ。
市と同校の取り組みは、エコアイランド宮古島として低炭素社会の実現に向けEVの普及促進を目指す宮古島市で、EVのメンテナンスができる技術者を育成することを目的に、EVメンテナンスに関するカリキュラム化の確立を目指すもの。今年度はEV学習カリキュラムの検討と試験的授業を実施する。
今回の試験的授業は、文部科学省の委託事業でEVやHV車などの次世代自動車の整備カリキュラムを作成した実績のある日本工科大学校に市が講師派遣を要請し実現した。
実習では1級整備士の資格を持つ講師が、EVとHV車を実際に見せながらガソリン車との違いや、それぞれの特徴などについて説明した。
生徒はEVはバッテリーに蓄えられた直流の電気を交流に返還してモーターへ送り走らせていること、HV車は燃料を効率的に使用するため走り出しなどはモーターで、ある程度のスピードが出てからはエンジンで走ることなどを学んだ。
実習の最後にはEVとHV車に乗車し、加速の違いなどを体感した。
講座ではガソリン車、HV車、EVを、環境への優しさや走行距離、加速、燃料補給の環境などで採点し、各タイプごとのメリット、デメリットを確認した。
満タン、フル充電で走ることのできる距離はHV車が約1700㌔、ガソリン車が約1000㌔なのに対しEVは約400㌔と短いが、走行1㌔当たりの燃費ではガソリン車が5円、HV車が3円なのに対し、EVは1・2円程度と安いことなどを講師が説明した。