犬の殺処分が大幅減/ボランティアの取り組み奏功
県宮古保健所によると、2017年度における犬の収容と措置状況で、終末処分(殺処分)の頭数が前年度の141頭から約9分の1となる16頭になったことが分かった。同所では「島内のボランティア団体の取り組みで収容犬の譲渡が進んだことも大きく影響している」と話す。しかし、収容件数が横ばいで推移していることを指摘。「野犬の増加につながる放し飼いは絶対にやめてほしい」と呼び掛けた。
同所管内における犬の収容頭数は年間200~300頭で、14年度からは300頭台で推移してきた。
さらに、14年度からは年間の殺処分件数も300頭を超え、15年度は325頭。これは東京都の1年間の処分件数を上回っていた。
こうした状況を打開しようと、民間ボランティアが立ち上がり、収容された犬を島内外に譲渡する活動が16年度ごろから本格化してきた。
同保健所と連携した取り組みで16年度の終末処分件数は、前年度の325頭から大幅に減少し141頭となった。
さらに、活動が充実してきた17年度の処分頭数は16頭にまで減っている。
しかし、こうしたボランティアと保健所の取り組みをよそに、収容件数はいまだに高い数値で推移しているのが実情だ。
県全体の収容数が10年間で約4分の1に減少しているのに対して、宮古はほぼ横ばいとなっている。
同保健所では「ボランティア活動のおかげで殺処分は減っているが、収容頭数は今も多い。野犬が増える要因の一つでもある放し飼いをやめることと、飼い主には避妊についても真剣に考えてほしい」と話した。