70年代宮古の祭祀撮影/上井さんの写真集寄贈
編集者の比嘉さん市教委へ
1970年代の宮古島の祭祀(さいし)などを撮影してきた故上井(うわい)幸子さんの写真を、写真家の比嘉豊光さんが編集し出版させた写真集「太古の系譜 沖縄宮古島の祭祀」が市内の小中学校などに寄贈された。贈呈式が18日、市役所城辺庁舎で行われ、比嘉さんから宮國博教育長に写真集が手渡された。
写真集はA4サイズ254㌻で、価格は2500円(税別)。上井さんが撮影した島尻、狩俣、佐良浜での祭祀や大神島の人々の様子など約200点が収録されている。
今回の寄贈では、市内の小学校18校と中学校14校、島尻、狩俣、大神の自治体に各1冊、佐良浜自治会に2冊の計37冊が贈られた。
写真集製作に協力した奥平一夫さんと共に教育長室を訪れた比嘉さんは、上井さんの死後、遺族から上井さんが宮古島で撮影したフィルムを引き取り、今回の写真集出版に至ったことを報告した。今は行われなくなった祭事の写真も掲載されていることを紹介し、地域の文化を振り返ってもらうため来年1月に市中央公民館で上井さんの写真展とシンポジウムを開催予定であることを伝えた。
宮國教育長は「宮古では昔の資料がなかなか残っていない。貴重な資料になると思う」と述べ、寄贈に謝意を示した。
奥平さんは1月に開催する写真展を市教育委員会との共催とするよう要請。宮國教育長は快諾した。