アオドウガネ 平年比2倍/注意報発表
誘殺灯の減少など要因か
サトウキビの根を食害するアオドウガネの成虫捕獲数が平年の約2倍で推移している。県病害虫防除技術センターの予察灯による調査で分かった。増加の要因は誘殺灯の減少や株出し栽培面積の拡大などが挙げられている。同センターは19日に注意報を発表。培土時期における粒剤処理などを呼び掛けている。
病害虫防除技術センター宮古駐在の敷地内に設置されている予察灯で調査した結果、今年の発生初めから6月30日までに平年の約2倍に当たる累計2296匹の成虫を捕獲した。
増加要因の一つが宮古島市が設置している可動式誘殺灯の減少だ。2006年度に1300基あった誘殺灯が今は816基。導入から10年が経過し、破損や基盤の不良などで使えない状態になっているという。
市は、当初の1300基まで戻す方向で国や県と調整を続けている。
サトウキビの作型の主流が夏植えから株出し栽培にシフトしたことも成虫の増加要因とみられる。夏植えが主流のころは新植の際に耕運作業を行うため地中の幼虫も同時に駆除。被害の抑制につながっていた。
これらの要因で成虫が増えたとみられるが、根を食害するのは幼虫であることから今すぐサトウキビに被害を与えるというわけではない。ただ、産卵数は増えるため、来年の食害に関しては注意が必要になる。
防除方法は①5~7月の培土時の粒剤処理②誘殺灯設置による大量誘殺防除③収穫後に株を更新する予定の圃場は、幼虫及びさなぎを防除するため1~3月の早期に砕土-など。
アオドウガネの成虫はテリハクサトベラやヤエヤマアオキ(ノニ)、レイシなどの葉を集団で摂食し、5~7月にサトウキビの夏植えの圃場に産卵する。
ふ化した幼虫がサトウキビの根を食害。被害は9~11月に顕在化し、著しい場合は株全体が枯死する。