施肥、土寄せの徹底を/きび技術員会
春植えの管理方法示す
台風8号の直撃に伴う春植えのサトウキビ被害を受け、宮古地区さとうきび技術員会(神里春樹会長)は20日午後、県宮古合同庁舎で開いた会見で今後の管理方法を示した。現状のまま栽培する場合は鶏糞や施肥及び地際の土寄せを行うよう助言、状況次第では株出し処理の実践も勧めた。
台風8号は10日、宮古島地方を暴風域に巻き込みながら西に進んだ。この間の強風でサトウキビでは葉の裂傷や梢頭部の折損被害が発生。特に春植えや株出しの圃場で目立った。
地区全体の春植えの被害率は30・2%だが、一部の圃場の被害率は70~80%に達しており、今後の管理方法について戸惑いを見せる農家もいるという。
この現状を踏まえて技術員会が複数の管理方法を示した。今期の収穫が見込めると判断した場合は▽鶏糞または速効性の化成肥料を施用して回復を促進する▽強風のため、キビの根元に穴が開いている場合は土寄せを行う-を促した。
株出し処理の場合は速やかな実践を強調。生育期間を確保するため遅くとも7月中に実施し、収穫を遅めにすることを提案した。
今期の収穫が難しいと判断する場合は、県農業共済組合の一筆全損分離補償の利用を呼び掛けた。収穫不可が認められれば、被害圃場における収量の7割分の補償が受けられる。
そのほか夏植えや株出しに移行することも一つの方法として提示した。株出しを選択する場合は、いま圃場に残っているサトウキビの切り戻しを行い、9~10月に改めて株出し管理作業を行うよう助言した。
会見で技術員会の神里会長は「緊急的な対応としての管理方法になる。どう対応すれば良いのかという部分で一つの判断材料にしてほしい」と話した。