国と県の駆け引き続く/辺野古への土砂投入先送りも
【那覇支社】菅義偉官房長官は15日、東京での記者会見で、国が17日にも予定していた辺野古埋め立て区域への土砂投入について、「気象条件などを踏まえる必要があり、現時点では具体的に決まっていない」と述べ、気象次第では日程先送りもあり得るとの見解を示した。県が週内の埋め立て承認「撤回」を見合わせる方針を固めたとの一部報道も出る中、国と県の駆け引きが続いている。
米軍普天間飛行場の辺野古移設工事をめぐり、沖縄防衛局は6月、埋め立て区域へ8月17日にも土砂を投入すると通知。一方の県は7月、土砂投入前に工事を停止させることを目指し、埋め立て承認「撤回」の手続きに入っている。9日には、撤回前に防衛局の弁明を聞く「聴聞」も行った。
県は聴聞手続きは終了したとしているが、防衛局は聴聞継続を求めている。菅官房長官も、15日の会見で「県が聴聞期日での当方の主張を踏まえて、最終的にどのように判断されるのか、今後の対応を見守っていきたい」と語った。
国が県に承認撤回の延期を申し入れたとの一部報道については、菅官房長官は「報道があることは承知しているが、内容については承知していない」と述べるにとどめた。
一方、15日には、県が週内の承認撤回を見合わせる方針を固めたと一部で報道された。報道によると、国が辺野古への土砂投入を当面見合わせることを県に示唆したことが理由で、県は知事選に向けて最適のタイミングで撤回を実施する方針という。
謝花喜一郎副知事は15日の退庁時、記者団から報道について質問を受けたが、終始無言だった。今後も、国と県の動向が注目される。