視察、資料購入多い/市議会17年度政務活動費
一部返還や未申請も/議員に年額18万円支給
市議会議会事務局(上地昭人局長)はこのほど、市議の調査研究や研修などの活動に支給される政務活動費収支報告書(2017年度)をまとめた。活動費で多かったのは、視察などの旅費に充てる「調査研究費」、活動に必要な図書や新聞などの「資料購入費」。年額18万円支給されるが、使い切らずに返還するケースや未申請の議員もいる。
政務活動費は「議員活動がしやすい環境づくりの推進」などを理由に、15年度まで月額5000円(年額6万円)だったが、16年度から3倍となる月額1万5000円(同万円)に増額した。
同活動費を巡っては、一部議員から「県内11市の中では最低額」と主張し、月額2万5000円(同30万円)に引き上げる予算要求を行った経緯がある。
活動費は使途目的など報告が義務づけられており、毎年4月に申請すれば一括支給される。
支給申請をしなかった議員も複数おり、うち一人は「議員活動は議員報酬内ですべき。政務活動費の支給は、市民感覚では考えられない」と話している。
改選後の議員24人のうち、政務活動費を申請したものの使い切らずに残額を返還したのは15人だった。
全額使い切ったり、支給額を超えた議員は7人で、このうちの一人は「使い方次第では有効活用できる。議員の資質の向上にもつながり、活用のしがいがある」と語った。
ちなみに16年度に支給された総額420万円のうち、約69万円が返還されている。
収支報告書や領収書などの添付書類は、議長宛に提出され、議長が確認し議会事務局職員がチェックしているが「最終的には議員個人が説明責任を果たさなければならない」と話している。
また、旅費を使って視察をした場合は「いつ、どこで、何を視察したのか」などを報告書にまとめて提出するよう求めている。
新聞購読料を「資料購入費」として計上している議員が多いが、これは認められている。ただ、スポーツ新聞は「娯楽性が高い」(市議会事務局)として認められていない。
また、これまでに趣味や私用に使われたと思われるような事例はないという。
市議は昨年11月に改選されたため、17年度政務活動費収支報告書では、現職、新人、勇退した議員などの活動期間がそれぞれ違うことから、支給・交付額が4万5000円~18万円とばらつきがある。
17年度政務活動費収支報告書は、市議会政務活動費交付に関する条例に基づき、一般市民の閲覧が可能。議会事務局に申請すれば誰でも調べることができる。
同事務局によれば、年間1~2人程度の市民が閲覧するという。