玉城氏、県知事選出馬へ
「真剣に前向きに考える」/事実上の一騎打ち
【那覇支社】9月30日投開票の県知事選に向け23日、翁長県政を支えてきた政党などは調整会議を開催し、全会一致で沖縄3区選出で自由党幹事長の玉城デニー衆院議員(58)の擁立を決め、出馬を要請した。記者団に対して玉城氏は出馬への強い意欲を示しており、旧盆明けにも立候補を表明する見通し。県知事選は、玉城氏と保守系から既に出馬表明している佐喜真淳前宜野湾市長(54)とで事実上の一騎打ちとなる構図が固まった。
調整会議後、議長を務める照屋大河県議(社民・社大・結)らは沖縄市にある玉城氏の事務所を訪れ、「玉城デニー氏が最適任であること、翁長雄志知事の信任の厚い人であることを確認し、全会一致で知事選挙候補者として擁立することを決めた」として、玉城氏へ県知事選への出馬を要請した。
要請を受けた後、玉城氏は記者団に対し「非常に光栄で、しっかりと受け止めたい」と述べたほか、「真剣に前向きに考えていければと思っている」と、出馬に強い意欲を見せた。
また、正式な出馬表明について「できるだけ早いタイミングで表明できれば、と思う」と述べるなど、出馬に向けた最終調整に入っていることを示唆した。
県政与党などの調整会議は、故翁長知事が玉城氏と金秀グループの呉屋守将会長(69)に期待する音声データが見つかったことを受け19日、これまでの選考過程を白紙に戻して両氏へ出馬を打診していた。
呉屋氏が固辞する一方、玉城氏は出馬へ前向きな姿勢を示して来た。21日には、所属する自由党の小沢一郎代表と東京で会談したほか、夜には沖縄市で後援会関係者と会合を持つなど、出馬に向けて調整を進めていた。
県政与党の一部から出ていた翁長知事の音声データに対する疑義が収束したことも、玉城氏に追い風になった。音声データの公表を求め、一時は調整会議から離脱する可能性まで言及していたという県議会会派おきなわは23日、調整会議前に会見して玉城氏を支援することを表明した。
玉城氏が出馬する方向が固まったことで、「オール沖縄」側は選挙態勢の構築を急ぐ方針。一方の佐喜真氏は、きょう24日に事務所開きをする予定で、今後、両陣営の動きが本格化する。