差別、偏見ない社会を/南静園
慰霊祭で名誉回復決意
ハンセン病療養所である国立療養所宮古南静園(知念一園長)で毎年旧盆の中日に実施される慰霊祭が24日、同園の納骨堂前で行われた。知念園長や職員、入所者などの関係者らが参列。差別や偏見を受けながら亡くなった入所者や強制的に堕胎された水子の霊を慰めた。
知念園長は「南静園に眠られる500柱余のみ霊は、国や地域社会から激烈な差別を受けながらも、その人生を逞しく生き抜かれた方々。戦時中は食料が得られずに餓死された方、機銃掃討で命を落とされた方など、110名の入所者がお亡くなりになった悲惨な記録も残っている」と述べた。
その上で「ハンセン病は簡単に伝染する病気ではない。治る病気。恐れる病気ではない。ハンセン病にかかったことのある人に罪はない。入所者の皆様とともに世の中に強く、強く訴えていく」と決意を示した。
さらに「この世から差別が完全になくなることや人が人として重んじられ社会が来ることを心から念願し、皆様の名誉回復のために鋭意努力する」と追悼の辞を述べた
参列者一人一人が菊を献花しめい福を祈った。
狩俣地域から訪れ参列した男性(60)は「今年で2回目だが、毎年亡くなられた方のめい福を祈る。差別や偏見のない社会を強く訴えたい」と語った。
宮古南静園の現在の入所者は59人で平均年齢は86・8歳。