キビ生産 29万7000㌧見込む/2018-19年産
前期実績並み確保
懸念は台風被害の影響
宮古島市における2018-19年産サトウキビの生産量は29万7000㌧が見込まれている。製糖各社の調査結果を市の農政課がまとめた。多良間を含む地区全体の生産量は30万㌧台に達しており、現段階では前期実績並みの生産量を確保する見通しだ。ただ、調査結果は台風直撃前の7月1日時点の数値。この台風では春植えや株出しの圃場で折損や葉の裂傷が確認されているため、生産量に与える影響が懸念される。
市によると、全体収穫面積は4847㌶で前期より400㌶ほど少ない。作型別には▽夏植え1513㌶▽春植え390㌶▽株出し2943㌶-の割合。
前期と比べると株出しが227㌶減り、春植えが160㌶増えている。株出し栽培の株を更新し、春植えに切り替える農家が増えていることなどが要因だ。
作型別の反収(10㌃当たりの反収)は夏植え栽培が7・7㌧。春植えは5・4㌧で株出しは5・5㌧。この数字から、全体の生産量万㌧台が見込まれる。地区別の生産量は▽平良8万5300㌧▽城辺9万1600㌧▽下地3万9400㌧▽上野2万8400㌧▽伊良部5万3000㌧-。
現時点では前期並みの生産量だが、7月10日に直撃した台風8号の被害状況が加味されていない点が懸念材料だ。この台風で宮古島のサトウキビは長時間強風にさらされ、葉の裂傷や梢頭部の折損被害が発生。市が算出した被害額は5億7800万円に及んでいる。
特に春植え圃場において被害が大きく、製糖工場関係者によると、全損(収穫不可)被害を申し出る農家も出てきているという。全損扱いになると面積、収量ともに次期作には反映されないため、全体の生産量を押し下げる可能性がある。
ただ、台風を除けば今期の気象条件は悪くない。大きな干ばつ被害はなく、降水量も多いため、サトウキビの生育環境としては比較的恵まれている。秋に実施する第2回生産量調査において増産が期待される。
市農政課の松原直樹課長は、生産量は台風の影響で流動的な部分があるとしながらも、「作型の体系として春植えが増えていることが大きい。(株出し一辺倒にならず)良い方向に進んでいる」と話した。