玉城氏、正式に出馬表明/県知事選
「翁長知事の遺志継ぐ」/辺野古承認「撤回」を支持
【那覇支社】9月30日投開票の県知事選に向け29日、県政与党などから立候補を要請されていた沖縄3区選出で自由党幹事長の玉城デニー衆院議員(58)が正式に出馬を表明した。玉城氏は会見で、「翁長知事の遺志を引き継ぎ、辺野古新基地建設阻止を貫徹する立場だ」と述べたほか、現県政による辺野古地区の埋め立て承認「撤回」を全面的に支持すると表明した。
県知事選をめぐっては、県政与党側は当初、故翁長雄志知事の再選を目指していたが、翁長知事の急逝を受け、県政与党や団体などで構成する調整会議が後継候補の擁立を進めてきた。
調整会議では、金秀グループの呉屋守将会長(69)、謝花喜一郎副知事(61)、県議会副議長の赤嶺昇県議(51)などの名前も挙がったが、翁長知事が玉城氏と呉屋氏の立候補を期待する音声データが見つかったことから、これまでの経緯を白紙化。23日には、全会一致で玉城氏へ立候補を要請していた。
玉城氏は出馬表明の会見で、「『イデオロギーよりアイデンティティ』は翁長知事から受け継いだ大事な理念。ユイマールとチムグクルで自立と共生の沖縄を目指していく」と語るなど、翁長県政を継承していく方針を示した。
政府に対しては、「仲井真前知事に政府が約束した、普天間基地の運用停止は来年2月で5年の期限を迎える。これまで、何らの実効性ある取り組みを示さず、返還が進まない責任を翁長知事になすりつけている」と述べたほか、「県民を分断している」とも語り強く批判した。
先島への陸自配備に関する記者団からの質問については、自衛隊を専守防衛の枠内で認めるという立場であることを示した上で、「国の専権事項ということで自衛隊を強行配備することは許されない。(国が)地元の皆さんと協議・説明をする対応を尽くすべきだ」と語った。