「基本は土づくり」/キビ栽培講習会
高反収の実績紹介/叙勲受章の川満さん講師
上野地区さとうきび生産組合(砂川栄徳組合長)の栽培講習会が30日午後、上野公民館で開かれた。2018年春の叙勲(農業振興功労)で県内初の旭日単光章を受章した川満長英さんが講話し「すべて農業の基本は土づくり。新植前には必ず緑肥を育ててしっかりすき込むこと。深耕も重要だ」と話した。また、「サトウキビは苗半作」と強調し、種苗圃で2節苗を作ることを絶対条件に挙げた。
講習会には、上野地区でサトウキビを生産する農家の多数が参加し、叙勲をはじめ県のキビ競作会における農林水産大臣賞、農林水産祭での内閣総理大臣表彰など、サトウキビの分野で数々の受賞歴を誇る川満さんの話に耳を傾けた。
川満さんの2018-19年におけるサトウキビ収穫面積は370㌃(夏植え145㌃、春植え25㌃、株出し200㌃)。夏植えの反収は10・8㌧に及び、市全体平均の6・6㌧をはるかに上回る実績を挙げた。
これだけの収量を誇る川満さんだが「特別な肥培管理はない」という。「あえて違いを挙げるとすれば緑肥で、私は地力増強のために下大豆を収穫後の2~3月に播種する」と話した。
種子は自分で栽培しているといい、「しっかりとすき込む。深耕も行い、作業は委託する」と話した。
植え付けに向けての注意点は良い苗作り。「しっかりとした苗を種苗圃で育てている。きれいな芽のもので2節苗を作っている」などと紹介し、株出しなどからは採らずに新植の苗を使うよう呼び掛けた。
また、「植え付ける前には必ず一晩、水か石灰水に浸けておく」とした。植え付けは9月中旬以降で、10㌃当たりの使用種苗は1800~2000本とし「これで十分」と語った。
病害虫、雑草対策の重要性も指摘した。病害虫は適期防除、除草作業は「手間を惜しまないこと。特に株出し圃場では、中耕や除草剤散布に手間をかけることが反収向上の秘訣」と話して基本の徹底を促した。
講習会では、県やJAの担当者も講話し、実証の結果から土づくりや品種ごとの特徴、植え付け後の雑草管理の方法を紹介した。