土流出圃場に客土/島尻、城辺のキビ畑
市が予算措置、復旧へ
記録的な大雨に伴うサトウキビ畑の土の流出で、宮古島市が急ピッチで復旧作業に当たっている。7月下旬に要請があった平良島尻や城辺の一部圃場については予算措置を済ませ、客土の準備を整えた。天候を見ながら作業に入る。さとうきび生産組合が支援要請した被害圃場についても調査を進めている。土の流出量を把握し、財政との調整を経て復旧に着手する。
復旧のめどがついた島尻地区の被害体積は約650立方㍍、城辺は110立方㍍でそれぞれ近いうちに客土する。費用は予備費から約180万円を充てた。
島尻地区の圃場整備地区では、50年に1度と言われる7月の記録的な大雨で大量の土が流出した。特に傾斜地での被害が大きく、中には数十㍍にわたって浸食された畑もあるという。
土の流出被害は島尻にとどまらない。8月には台風の接近に伴う大雨が被害の広がりに拍車を掛けた。
多くの圃場で大量の土が流れ出たものとみられ、各地で「このままでは夏植えができない」という農家の声が相次いだ。こういった現状を踏まえ、さとうきび生産組合が緊急会合を開いて市への要請を決めた。
要請の席で下地敏彦市長は、事前調査を前提に支援を即断。担当課が調査に乗り出しており、被害圃場の土の流出量を把握しながら復旧に着手する方針だ。
農村整備課では「引き続き被害圃場の調査、調整作業を進めている。夏植えを前に、困っている生産農家は多い」などと話し、早期復旧の考えを示した。
ただ、市が保管する土の量と予算には限りがあるため、復旧の範囲は現段階では不透明だ。市が厳密な調査の上で判断する。