2年連続1700億円超/沖縄公庫
19年度概算要求
【那覇支社】沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は8月31日、2019年度概算要求を提出した。沖縄らしい優しい社会の構築と民間主導の自立型経済の発展に向け、事業規模として前年度当初計画比2億円増の1707億円を計上した。概算要求額が1700億円を超えるのは2年連続で、▽社会的課題の解決▽リーディング産業の成長支援▽中小企業・小規模事業者の経営基盤強化-を重点とした。
融資制度では、「沖縄における社会的課題解決のための貸付利率特例(仮称)」を創設。ひとり親家庭の親の雇用促進や人材育成・環境保全などに関する既存の特例制度を統合・拡充するもので、地域課題の解決に向けた事業者の取り組みを支援する。
また、「教育一般資金貸付」の対象に離島に住所を有する者や母子家庭・父子家庭などを追加した。150万円の限度額を撤廃し、350万円(海外留学資金を利用する場合は450万円)までを特例措置の適用対象とする。
既存制度では、「沖縄中小企業経営基盤強化貸付」「沖縄雇用・経営基盤強化資金貸付」「沖縄農林漁業台風災害支援資金」の取扱い期間を20年3月31日まで延長することを求めた。
事業計画の項目別では、産業開発資金が750億円(前年度当初計画と同額)、中小企業等資金は710億円(同)、住宅資金75億円(前年度当初計画比5億円減)、農林漁業資金60億円(前年度当初計画と同額)、医療資金50億円(同)、生活衛生資金40億円(同)などとなった。
川上理事長は「沖縄における総合政策金融機関として、民間金融機関と一層の連携をして、役割を果たすべく全力で予算確保に努めたい」と述べた。