公道で自動運転体感/宮古で走行試乗会
市長乗車「360度情報分かる」
名古屋大学を中心に開発された一般道完全自動運転技術を搭載した自動運転車両の公道走行試乗会が3日、宮古島市内で行われた。下地敏彦市長らが参加。市内の市街地約3・7㌔をセンサーやカメラで周囲の情報を確認しながら走行する自動運転を体感した。
名古屋大学開発の自動運転ソフトは、走行ルートの高精度な地図情報を基に、センサーで360度測定できる3次元計測装置とカメラで道路や軌跡の情報、障害物や信号の情報を確認することで状況判断や走行制御を行うもの。運転者が乗車しなくても一般道を自動運転ができる完全自動運転を可能にしている。
試乗を前に、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ領域特任教授で工学博士の二宮芳樹氏が市役所平良庁舎で自動運転システムの概要を説明。すでに実施されてきた自動運転の公道走行例などを紹介した。
公道走行試乗会は市役所平良庁舎を出発し、市公設市場前交差点から平良港方面に向かい、国道390号を左折。久貝北交差点から宮古病院前を通過して平良庁舎まで戻る約3・7㌔のコースで実施。自動運転車両は約15分でコースを一周し平良庁舎へと戻ってきた。
自動運転車両乗車を体験した下地市長は「初めて乗ったがセンサーがしっかりしている。前後を走っている車や横を歩いている人など360度、車周辺の情報がすべて分かるようになっている。実用化すれば宮古島の飲酒運転がなくなるのではと期待している」と感想を語った。
二宮氏は今回、宮古島で試乗会を実施した理由について「島内を移動する人の足が不足して困っていると聞いた。宮古島で自動運転の仕組みを構築することができれば使えると思う。今回はデモンストレーションとして技術がここまで来ていることを紹介したかった」と説明した。