対象世帯へ利点説明/市営住宅再生エネ利用
島内におけるエネルギー自給率向上を目指して宮古島市が市内の一部市営住宅において、再生エネルギーを利用して安価で温水供給などを行うサービスについての説明会が3日夕、JTAドーム宮古島で行われた。
市とサービスを提供する宮古島未来エネルギーのスタッフが、再エネ活用の利点や取り組みの意義を訴え、同サービスの活用(加入)を訴えた。
市では、資源循環型社会の構築と再生エネルギーの普及に向けては、その設備を住民が購入・所有するのではなく、第三者である事業者が設置、所有し、住宅向けにエネルギー等のサービスを提供することが有効として今回の事業を展開する。
同事業は、「宮古島未来エネルギー」(比嘉直人社長)が自己負担で太陽光パネルなどの設備を調達、設置して運用を行う。
サービスは、旧町村部(城辺、下地、上野)の市営住宅の198戸が対象で、来年3月ごろからのサービス提供を目指している。
今回の説明会は、対象となる世帯向けに行われ、参加者からいろいろな質問が出された。
給湯機の貯湯槽に何㍑の温水が貯められるかの質問には、70度の温水が370㍑ためられることや、キッチンのシンクでもその温水が今まで通りに利用可能であることなどが説明された。
そのほか、「太陽光で発電した電気を(住宅)で使用することができないか」の質問には「その場合は蓄電池が必要になる。現時点では採算が合わないが将来安価になれば検討したい」との見解が示された。
2016年度における市のエネルギー自給率は2・88%で、市ではさらなる再生エネルギー普及拡大が不可欠としている。
民間業者は、契約入居者から温水料金を得るほか、同システムにより生じた余剰電力を沖縄電力に売電して収益を得ることもできる。
また、市は市営住宅の屋根や施設を同社に提供し、使用料を受け取ることができる。
契約入居者は、コストの負担無く、給湯にかかるガス従量料金が安価になる。 この取り組みによって、入居者は生活コスト負担の低減化が図られるほか、市では目指すエネルギー自給率の向上が図られる。
市企画政策部エコアイランド推進課は「これは今後の再エネ普及の起点となる取り組み。説明を聞いた上で加入についても前向きに検討してほしい」と呼び掛けた。