博愛パレス館 ホテル運営再開へ/市議会一般質問
市がユニマットと賃借調整/修繕改修後、有効利用へ
15年間にわたり閉鎖されている博愛パレス館(うえのドイツ文化村内)のホテル運営再開に向けた動きが出てきた。宮古島でシギラリゾートを展開するユニマットプレシャスが同施設での宿泊施設運営を計画しており現在、市と建物の修繕や賃借契約に向けた調整を進めていることが分かった。11日に行われた市議会9月定例会の我如古三雄氏の一般質問に当局側が答弁した。
我如古氏は「企業側は契約期間については、建物の収益開始から10年間(改修工事間を除く)とし、借地料として年間169万6000円との条件を示しているが市の見解は」と、答弁を求めた。
楚南幸哉観光商工部長は「同施設は、15年間も使用できない状況で修繕にも多額の費用がかかる。相手方が改修の費用を負担した上で施設を有効利用する今回の提案は市としても前向きに検討したいと考えている。現在は賃貸借にかかる手続きについて法令等の確認作業を行っている」と説明した。
当局説明によると、借受希望の対象は、うえのドイツ文化村施設の一部である同館の土地(8480平方メートル)と建物(床面積2012・93平方メートル)となっている。
また、同施設改修工事については、相手側(ユニマット)の負担で実施し、それに伴う増加資産については企業帰属となっている。
賃貸借終了時の資産の取り扱いについて、楚南部長は「今後の協議事項にしたい」との見解を示した。
パレス館は中世ドイツの宮殿をイメージして、1993年に完成。鉄筋コンクリート3階建てで、150人収容の多目的ホールと会議室、29室62人が宿泊できる施設として約14億8000万円(関連施設含む)を掛け旧上野村が整備した。
しかし、2003年9月の台風14号による風雨と高波などで甚大な被害を受けた。
修繕には多額の費用が掛かることから、当時の上野村は財政状況などを理由に同館を閉鎖。市町村合併後は宮古島市が引き継いだが、現在まで閉鎖されたままとなっている。