運動会 場所取りが激化/平良中が異例の会見
親同士のトラブルも/節度ある行動呼び掛け
運動会でわが子をベストポジションで応援するための「場所取り」が年々激しさを増している。特に大規模校で見られる光景で、行列ができるなど保護者同士のトラブルにも発展している。ビデオ撮影や簡易テントの急速な普及などが背景にあるとみられる。平良中(池城健校長)と同校PTA(砂川泰人会長)は11日、同校で記者会見し「節度ある行動で安全で楽しい運動会にしてほしい」と保護者に呼び掛けた。学校が運動会の場所取りで、マスコミを通し協力を求めるのは異例。同校の運動会は16日に行なわれる予定。
池城校長は「保護者から場所取りについてのクレームが殺到している。教職員はその対応に追われ、生徒の指導、監督に支障が出ている」と指摘した。
2年前は時間を設定したが、場所取りに一斉に走り出したため、押し合いや転倒する人が出て危険な状態だった。
反省を踏まえて昨年はくじ引きで場所取りを決めたが、終わるまでに約4時間かかり、運動会の準備に支障を来したという。
場所取りの主なトラブルとして同校は①場所取り開始時間前に学校敷地内に入り場所を確保する②場所取り禁止箇所にシートを敷いたりテントを張る③敷いてあるシートなどをはがして、自分のシートを張る④希望する場所が取れなかったとして教職員やPTA役員に苦情を言う-などを挙げている。
同校は全校生徒539人で、宮古地区の中学校では最多。運動会は例年、保護者や祖父母など約2000人が訪れ300張り以上のテントが設置されるという。
池城校長は「限られた敷地内で、すべての保護者に満足のいく場所を提供することは難しい。節度ある行動と譲り合いの精神を持って場所取りを行ってほしい」と話した。
同校はルールとして▽場所取りは運動会前日(15日)午後6時から▽テントは後方に迷惑が掛からないように設置する▽スペースは広く取らない-などを決定し、保護者に通知する。トラブルが起こった場合は当事者同士での話し合いと解決を求める。
また、保護者席やテントが設置できる場所などを明記した会場の見取り図を事前に配布し理解を求める方針。