キビ減産 赤字3.5億円/宮古製糖
低品質で業績振るわず/株主総会で第59期決算承認
宮古製糖(安村勇社長)の第59期定時株主総会が21日、JAおきなわ宮古地区本部で開かれた。第59期事業は売上高が前期比33%減の35億3900万円、最終利益は3億5800万円の赤字を計上した。サトウキビの減産や低品質が業績に響いた。安村社長は「申し訳ない」と陳謝し、次期作での挽回を期した。総会では同決算と取締役を補充する2議案を承認した。
第59期(2017年7月1日~18年6月30日)事業の売上高は、前期の52億6300万円に比べると大幅な落ち込みを示した。
損益計算書によると、売上高35億3900万円に対して売上原価は36億1000万円。販売費及び一般管理費は5億8600万円で営業損失として6億5800万円を計上した。これに営業外収益、特別利益等を加えた最終利益は3億5800万円の赤字となった。
結果として、前期5億2500万円の黒字から今期は2期ぶりとなる赤字決算に。1株当たりの純利益は前期の440円からマイナス300円に転じた。総資産は55億円、純資産は26億7600万円となり、自己資本比率は48・66%と50%を割り込んでいる。
業績の悪化はサトウキビの減産が要因だ。生育初期に発生したカンシャワタアブラムシが生育を阻害、8月の降水量の少なさも茎の伸長に影響した。9月の台風では折損や葉の裂傷が各地で発生。こういった複数の自然災害で生産量、品質ともに伸び悩んだ。
三つ持っている工場の生産量は、城辺と伊良部が平年並み。生産環境には恵まれなかったものの、株出し栽培の普及に伴う収穫面積の拡大で生産量を確保した形だ。多良間工場は前期に次いで豊作となった。
ただ、品質は3工場とも前期の実績を下回り、これが業績に大きく響いた。
株主総会の冒頭、安村社長は「減産で品質も上がらず厳しい業績になった」と話した。株主に要因を問われると「品質が上がらず歩留まりも悪かった。多良間工場の解体関連費で1億3000万円あったが、それでも2億円余りのマイナスで言い訳はできない。来期の増産に向けて努力していきたい」と理解を求めた。
質疑を得て同決算を承認した。大株主の丸紅の人事異動に伴う取締役の補充選任案件も認めた。新たに同社食品原料事業課長の長谷川誠氏が取締役に就く。
宮古製糖の株式総数は200万株(発行済株式総数119万2000株)。大株主は三井製糖や丸紅で持ち株比率は25・17%。当期末の株主数は5746人。