工事進捗率29%/伊良部小中一貫校
来春開校に地元懸念
「間に合うの?」-。来年4月に開校する伊良部小中一貫校(愛称・結の橋学園)の校舎建設工事の遅れを指摘する声が地元伊良部島を中心に聞こえる。市議会や教育委員会の定例会でも話題に上った。そんな声に市教育委員会は「問題はない」と回答。事業費ベースで4%程度の遅れを認めているが、「十分挽回できる範囲だ」としている。
市教育委員会よると、8月末現在の全体の進捗(しんちょく)率は29・34%。事業費ベースで4・1%の遅れが出ているという。
遅れの主な要因は基礎工事で、掘削など土工事にかける時間が想定を上回ったという。7月の大雨や空前の建設ラッシュに伴う作業員不足も少なからず影響しているものとみられる。
工期内完成を心配する声が広がる中、27日にあった教育委員会定例会で教育委員の一人は「間に合うのかどうかを心配する話が聞こえている。ちゃんと知らせた方が良い」と要望し、市民の不安の声に応えるよう当局側に対応を促した。
これに対して宮國博教育長は「工期が遅れるようなことはあり得ない。遅れたら大変な事態になる」と強調し、教員配置や引っ越しなどあらゆる分野に影響が及ぶことを示唆して「今のところ安心だ」と話した。
下地信男教育部長は「予定より4%遅れている」と明かしたが、「工期内には間に合わせる方向で進めている」と理解を求めた。
その後の取材に下地教育部長は、市民の間で不安の声があることを認めながら現状を説明し「十分挽回できる範囲だ」と話した。
請負業者との週1回の工程会議で毎回進捗状況を確認しているとし、「間に合わないという要素は見当たらない」という。このため竣工(しゅんこう)が遅れる想定はなく、別の学習場所の確保も検討していない。
結の橋学園は、伊良部地区内にある四つの小、中学校が一つになる歴史的事業で、教育振興の面において内外の期待は大きい。
現在、佐良浜中学校のグラウンドで進められている校舎建設事業は2017年11月に着工した。工期は来年2月28日までで、開校までの1カ月間で引っ越し作業を済ませる予定だ。