財源確保、厳しさ増す/市19年度予算編成
“将来負担考慮”に重点/職員へ危機意識共有促す
市財政課は11日、下地農村環境改善センターで2019年度の予算編成方針を市職員に説明した。普通交付税の段階的な減額や公債費の支出が増加に転じること、さらには社会保障経費の伸びが引き続き増加していくことが予想されると指摘。行政サービスの水準を確保しながら、将来負担を考慮した予算編成を呼び掛けるとともに、職員一人一人に一般財源の確保がさらに厳しくなることを認識し危機感を持って取り組むよう促した。
市財政課は留意点の一つとして、将来負担を考慮した予算編成を各課に求めた。
市の財政状況は、合併特例債など市債を活用した公共事業などによって市債残高が増加傾向にある。2020年度までは、合併特例債の発行が見込まれていることから、さらに市債残高が増加しそれに伴う長期債の元利償還による公債費の増が見込まれている。
このため、市債発行に当たっては財政健全の維持を図っていく観点から、債務残高について十分認識し、将来的な市債の償還財源となる減債基金への積み立てを行う。また、新規の施設整備に当たっては、将来的な維持管理コストについて検証しながら予算編成を進める方針。
市職員には、一人一人が市の財政状況を十分認識し、法令順守を徹底するよう訴えたほか、より精度の高い見積額を持って予算要求を行うよう指示した。
さらに予算執行に対しては、市民の注目するところであるとも指摘し、これまで以上に確実かつ透明性を持って予算執行に当たるよう求めた。
説明会の冒頭、あいさつした宮国高宣総務部長は、市が16年度に策定した第2次総合計画(17~26年度)を確認し、重点事業や事務事業の検証を促した。
また、市の17年度一般会計歳入歳出決算で実質収支額が約21億の黒字だったことを挙げながらも「繰越額や不用額が非常に大きい部分を占めている」と楽観的な見方を否定。「17年度の繰越額を引き上げたのは大型プロジェクトによるもの。繰り越しは翌年度以降の予算執行や事業計画、または市民サービスに影響を及ぼすことから、確実な年度内執行に努めてほしい」と強調した。
19年度予算案は年内にヒアリングや査定などを実施し、来年1月9日に1次内示。その後、復活要求などを経て1月23日に最終内示される予定。