アラフ遺跡 文化財指定へ/城辺新城
市教委 年内に市文保審諮問
宮古島を代表する無土器期の遺跡「アラフ遺跡」(城辺字新城)の市指定文化財指定に向け、市教育委員会(宮國博教育長)は25日、市文化財保護審議会に諮問することを決定した。年内にも市教委が同審議会に諮問し、城辺新城海岸砂丘地にある同遺跡の史跡指定に向けた協議がスタートする。
同日行われた市教委の定例会では、諮問議案が審議され可決。諮問理由については、東海岸に多く所在する同様の遺跡のほとんどが、砂の採掘によって壊滅状態にあることを指摘。
そうした背景を踏まえ、アラフ遺跡はこれまでの調査により、遺物包含層が良好な状態で残っていることから、急ぎ文化財に指定して遺跡の周知と保護を図ることが望ましいとしている。
また、将来的には先島諸島の無土器期を代表する遺跡として、国指定史跡に格上げを図ることも計画している。
アラフ遺跡は、城辺新城海岸に位置し、今から約2500年~1800年前の宮古島を代表する「無土器期」の遺跡。
同遺跡発掘調査団(江上幹幸団長)が2000年~06年にかけて8次にわたり調査を実施した。
同遺跡からは集石遺構(焼いた石が集中範囲で検出)やシャコ貝製の斧、サメの歯を加工した製品など多くの資料が得られている。
特に、4点のシャコ貝製の斧がまとまった状態で発見された貝斧埋納遺構は世界的にも類を見ない発見としている。