知事に離島振興策要請/宮古・八重山5市町村
選手派遣支援など26項目
【那覇支社】宮古島市の長濱政治副市長、多良間村の伊良皆光夫村長、石垣市の中山義隆市長ら宮古・八重山5市町村で構成する「美ぎ島美しゃ市町村会」の首長らは5日、県庁で玉城デニー知事に対し、離島生徒の選手派遣支援事業や県営宮古広域公園の早期整備、平良港拡充、多良間村での国営事業推進など26項目の要請書を提出した。
知事との懇談で長濱副市長は、「県営公園は各圏域ごとにあるが宮古だけがない。(宮古では)基本計画まで進んでいるが、前倒しでやっていただきたい」と述べた。
また、貨物船の大型化や寄港回数の増加などで平良港のバースが不足している状況にあると指摘し、バースの早期延長を求めた。
このほか、平良港で14万㌧級のクルーズ船が接岸できる整備を行っていると述べた上で、「(クルーズ船の)主流は今後20万㌧級までいく。このクラスが接岸できる整備を県も国に要請してほしい」とした。
伊良皆村長は、「多良間村は毎年のように干ばつに悩まされている。国の力を借りながら調査事業を長期間しているが、事業化に結びついていない。2年後に事業化に向けたスタートができると期待しているが、国の事業でも県の理解と協力がなければ進められない」と協力を求めた。
宮古島市からは、このほか▽下地島農業ゾーンにおける県営土地改良事業の早期採択▽宮古空港横断トンネル整備▽県農林水産物流通条件不利性解消事業の継続維持と品目追加-が、多良間村からは▽農業農村整備▽産業廃棄物処理▽小規模離島医療の充実▽多良間・石垣間の航空路線再開-の要請も出された。
また、5市町村は共通した課題として▽県立病院での手話通訳体制の整備▽宮古八重山近海での地震・津波観測システム設置-も要請に盛り込んだ。
玉城知事は、首長らに対し、「県も、国に要請することがあれば協力してやっていく。県と市町村でできることは、しっかり検討していけるように指示を出していく」と応じた。
会談には、宮古島市区選出の座喜味一幸県議(沖縄・自民党)、亀濱玲子県議(社民・社大・結)らも同席し、知事にさらなる離島振興を求めた。