素早い行動が命救う/多良間
大津波想定し避難訓練
【多良間】大規模な地震と津波を想定した訓練が5日、村内で行われた。参加した生徒や園児たちは、教諭らの指示を受けて安全な場所に避難した。参加者らは訓練を通して、地震が発生した時には、素早く安全な場所へ移動することが多くの命を救うことになることを確認した。
訓練は全島では午前10時から、中学校では午前11時からそれぞれ震度6強の大地震が沖縄近海を震源に発生したことを想定し実施した。
中学校では、全校生徒と保育所の園児が参加。地震を知らせるJアラート(全国瞬時警報システム)がスピーカーから流れる中、第1避場所に指定されている同校正門前に移動した。
この後、「大津波警報」の発令を聞いた生徒たちは、園児を抱いたり、手を引いたりして校舎2階の安全な場所に避難した。
訓練後、松本尚校長は「地震発生から安全な場所への避難に約8分かかった。もしもの場合には何が起こるから分からない。もっと素早く行動できるようにしよう」と呼び掛けた。
事前学習では、1771年4月24日午前8時ごろ、石垣島南東約40キロで発生したマグニチュード7・4の大地震によって引き起こされた「明和の大津波」の歴史を学び、日ごろからの備えが重要であることを再認識した。
この訓練は、地震や津波など予測できない災害に備え、自ら命を守り抜くために主体的に行動する態度を育成するための防災教育の一環として実施された。