方言継承の課題考察/24日に宮古でサミット
危機言語の地域研究者集い/文化庁など主催
宮古語(方言)など消滅危機とされる8言語の地域の研究者が集う「言語・方言サミット宮古島大会」が24日、マティダ市民劇場で開かれる。基調講演や各地域の現状報告、方言の聞き比べを通して言語・方言の継承について語り合う。宮古島市や市教育委員会、市文化協会が6日の会見でサミットを告知。「言葉と文化は表裏一体にある。大切な言語、方言の継承のあり方を共に考えたい」と話して来場を呼び掛けた。
日本で消滅危機言語とされているのは▽アイヌ語▽八丈語▽奄美語▽国頭語▽沖縄語▽宮古語▽八重山語▽与那国語-の8言語。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が発表している。
文化庁ほか県、市、市教育委員会などが主催・共催するサミットには、この言語の研究者らが100人以上参加し、言語・方言という貴重な文化を見つめ直して継承につなげる。
当日は午前時から開会式を開いた後、各地の現状報告がある。アイヌ語の現況については、北海道大学アイヌ・先住民研究センターが報告する。国立国語研究所は基調講演を行う。
午後からは各言語・方言の聞き比べや宮古各地の方言の語りが披露される。
最後は「危機言語・方言を継承する」をテーマに協議を開く。この中では10代の継承者が提言する。
特別プログラムとして宮古フツ漫才や宮古民謡、宮古フツ落語の披露もある。
告知会見で、下地敏彦市長は「言語がなくなれば文化の継承も難しくなってしまう」と懸念し、「宮古の独特の文化を継承して後世に伝える必要がある。ぜひ多くの市民の皆さんに参加してほしい」と話した。
宮國博教育長も「小さくても多様な文化を持つ宮古の文化を広く知らせ、継承していくためのサミットになる」と呼び掛けた。
市文化協会の大城裕子会長は「宮古の文化の継承を考えるとき、言葉は切り離せない。文化の根っこにある言葉にサミットで触れてほしい」と話した。
サミットには誰でも参加できる。入場は無料。