捕獲した魚めぐり攻防/ミサゴとカラスが「地上戦」
海魚の体をかぎ爪で突き刺したミサゴ(タカ科)がハシブトガラス(カラス科)に威嚇・攻撃される光景がこのほど、伊良部で確認された。畑に着地したミサゴは魚を捕まえた状態で飛び上がり、危機を脱して飛び去った。
伊良部島の入り江の一区域はカラス2羽の縄張り。その縄張りにミサゴは侵入し、水面下に泳ぐ魚を発見した。
ミサゴはゆっくり旋回し、空中で静止するように飛び、魚めがけて垂直に急降下。見事にかぎ爪で突き刺して舞い上がった。鮮やかな一瞬だった。
カラス2羽は、海のハンターと称されるミサゴの身勝手な侵入と振る舞いを目撃し威嚇・攻撃の行動に出た。カラスは魚を奪取する戦法だ。
2種とも空中で得意な技を展開。カラスは威嚇・攻撃でミサゴを追い回した。ミサゴは急旋回でカラスの一撃を交わし、近くの畑に降りた。カラスは地上戦に切り替えた様子だった。だが、ミサゴの反撃はなかった。ミサゴは優れた飛翔力で飛び上がり、魚をつかんだまま遠くへ逃げ切った。
2種を比べると、ミサゴが全長60センチ、ハシブトガラス全長57センチ、翼を広げるとミサゴ150センチ、ハシブトガラス100センチ。