ナスミバエが急増/宮古地区
トウガラシなど被害
宮古地区で、ナス科野菜の果実を食害するナスミバエが急増している。昨年度初めて確認されたが、今年度も多良間島を含む各地で寄生が見られた。トウガラシの確認地点数を調査地点数で割った寄生地点率は54%と5割を超えている。ナスへの寄生も今年初めて確認された。県はトウガラシ類の移動の自粛ほか、防虫ネットの被覆などまん延の防止を呼び掛けている。
ナスミバエは、その幼虫がナスやピーマン、トウガラシなどナス科野菜の果実を食害する。寄生果実は変色したり、腐敗臭を漂わせる。被覆など防除が行われていない家庭菜園や庭先栽培、シマトウガラシ畑での被害が目立つという。
県によると、国内では鹿児島県の徳之島、沖永良部島、与論島で発生が確認されている。沖縄は南北大東島と石垣市、竹富町を除いて寄生例があるとされ、県病害虫防除技術センターによると「県内でじわじわと拡大している」という。
昨年度初確認された宮古島への侵入は、果実、苗の持ち込みや成虫の飛来等が原因とみられている。
宮古島市では今年度、全品目合わせて81地点で寄主植物調査を行った。
40地点で調べたシマトウガラシは、10地点で寄生が確認され、寄生地点率は25%。前年度と比べて12ポイント増えた。トウガラシは13地点中7地点で確認。今年度初確認となったナスの寄生地点率は25%だった。
多良間島における寄生地点率は▽シマトウガラシ63%▽トウガラシ50%▽ナス17%-となっている。
県は防除対策として、施設では防虫ネットや出入り口に二重カーテンを施すよう呼び掛けている。露地では防虫ネットの被覆や果実の袋掛け等で侵入や寄生を防ぐよう求めている。
そのほか▽寄生の疑いのある果実や残さはビニール袋に入れ密閉して処分▽施設や畑の中、周辺にあるテリミノイヌホオズキや野良トマト等の野生寄主植物の除去-などを挙げた。
現段階では有効な殺虫剤がないため、こういった物理的な対策で防除するよう周知徹底を図っている。
まん延防止対策としてはトウガラシ類の生果実や実の付いた苗を持ち出さないこと。特に、八重山地域や本土など未発生地域への移動自粛を求めている。