市民の健康管理を支援
IT駆使し行動分析/2企業が実証へ
IT(情報技術)を駆使した健康増進プロジェクトが宮古島市で行われる。スマホにダウンロードする専用アプリを使って歩数や体重などの基本情報を「見える化」し、市民の健康管理をサポートする。併せて栄養バランスに優れた食事を推奨したり、島野菜の購入に応じてクーポンを発行したりしながら日常の行動を分析・活用し、実効性ある政策の提言につなげる。実証期間は来年1月から3カ月間。実施主体はデロイトトーマツと第一生命保険。
デロイトトーマツコンサルティング執行役員の荻生泰之さんや第一生命保険執行役員の岩井泰雅さんらが12日、市役所を訪れて、下地敏彦市長にプロジェクトの概要を説明した。
プロジェクトの狙いは健康を管理する次世代ヘルスケア・システムの構築にある。参加者の日常の活動を分析・活用し、各種健康影響評価や新たなヘルスケア関連サービスの創出を目指す。収集する情報は厳格に管理。ブロックチェーン技術を駆使して保護し、第三者への提供は一切ない。
具体的な取り組みの内容は、▽運動しやすい日常の環境づくり▽栄養バランスの良い食事▽一人一人の健康管理支援▽データ利活用基盤構想の検討-だ。
毎日の歩数を示しながら持続的な運動環境の構築を支援する。栄養バランスを重視して、島野菜などの購買活動を促す。そのために特典が得られるクーポンも発行する。健康診断や地域のイベント情報も流す。
利用する市民は数百人規模を想定し、市や企業に協力を呼び掛けるが、原則として誰でも参加できる。
荻生さんは「スマホのアプリを市民に使ってもらうプロジェクトになる。市にはオブザーバー参加として意見をいただきたい」と話した。その上で市の職員の利用に協力を求めた。
これに下地市長は「おもしろいプロジェクトだ。自分の健康管理にも役立つので良いのではないか。役所の職員にも利用を呼び掛けたい」と理解を示した。
専用アプリは来年1月中旬ごろからダウンロードできる。アンドロイドOSを搭載したスマホが対象。