テロ対策で総合訓練/平良港保安に100人体制
情報伝達など確認
2018年度平良港保安総合訓練(主催・平良港保安対策協議会)が20日、14の関係機関から約100人が参加して平良港下崎埠頭(ふとう)で行われた。訓練はテロリスト2人が入港予定の船舶「K号」で人質を取り、要求に応じなければ人質を殺すと脅しているとの想定で行われた。
訓練は「K号」からの事件発生報を受け、宮古島海上保安部、宮古島署など関係機関への事件発生の情報伝達や伝達内容の確認を行った。
訓練に先立つ開会式で、同協議会の会長を務める平良港湾事務所の林輝幸所長は「増加するクルーズ船の寄港や乗客に紛れ、不審者などの侵入による保安事案の発生リスクが高まる可能性がある。訓練では情報伝達やテロリスト制圧等における関係機関の連携、協力体制を確認して、必要な改善等を図ってほしい」とあいさつした。
平良港港湾管理者の下地敏彦市長は「訓練は前年と同様の内容で行われるが、入念に繰り返し実施することで関係機関の連絡体制などを強固にし、より万全な保安対策の強化につなげてほしい」と話した。
不審者制圧訓練では、「K号」が宮古島海上保安部の巡視船「みやこ」や制圧隊が乗船したゴムボートが警戒する中、下崎埠頭に接岸。巡視船「みやこ」の制圧隊がゴムボートから「K号」に乗り移り、2人のテロリストの内1人の身柄を確保した。地上に逃げたテロリストは宮古島署員が制圧した。
また、「K号」に負傷者がいる設定で、宮古島市消防本部消防署の救急隊員が応急手当を施し救急車で搬送する訓練も実施した。
訓練後、港湾危機管理担当官を務める宮古島署の前花勝彦署長が訓練を振り返り「参加機関が任務、役割をしっかりと自覚し、不測の事態にも相互に連携し迅速、的確に対応できたことが確認された」と講評した。
同訓練はテロ等による各種犯罪の発生を想定し、関係機関相互の緊密な連携、協力のもとに実践的な総合訓練を実施し広く保安対策の普及、啓発を図ることなどを目的に実施された。