新製糖工場の落成祝う/多良間村
黒糖ブランド確立へ/キビ振興、経済効果にも期待
【多良間】多良間村多良間製糖工場の落成式典が21日、同村塩川地区の同工場で行われた。伊良皆光夫村長や、同工場の指定管理者である宮古製糖の安村勇社長ら関係者が出席し、テープカットなどで完成を祝った。製糖工場はサトウキビの振興、雇用確保のほか各種産業への経済波及効果が高まると期待されている。12月17日から操業を開始する。
鉄骨造りの3階建て。敷地面積は2万8800平方㍍。施設面積は8486平方㍍。
工場には▽原料前処理施設▽圧搾設備▽ボイラー設備▽清浄設備・ろ過設備▽濃縮設備▽製品詰場設備(各種加工包装)-などが整備されている。
最大処理量は1時間11・25㌧で、圧搾量は1日当たり250㌧。
これまでは従業員10~14人で作業をしていた詰場には、新たに自動充鎮包装機が導入された。今期製糖期間(当初)は8人の作業員での対応が可能となる。
環境にも配慮し、クリーンエリアなど衛生設備を完備。徹底した衛生管理による安全、安心な黒糖製造が期待されている。
設計や造成工事などを含めた総事業費は83億円で、主に国の沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)を活用した。
式典で式辞を述べた伊良皆村長は「製糖業は主要な村経済を支える産業であり、生産者と製糖工場は密接な関係にある」と強調。その上で「サトウキビの安定的な生産と、品質向上による『多良間産黒糖』『エコ黒糖』としてのブランド確立へ向け、生産農家と製糖工場と連携した取り組みを図っていきたい」と決意を示した。
来賓祝辞で下地幹郎衆院議員(代読・亀川雅裕浦添市議)は、「多良間におけるサトウキビと経済振興への歴史がスタートする」と述べ、新工場がその中核を担うことを望んだ。
玉城デニー知事(代読・島尻勝広県農水部長)は、新工場は衛生対策が徹底されていることを紹介し「消費者へ安全、安心な含蜜糖が提供できると期待している」と述べた。
建設工事に協力した企業などを代表して大米建設の仲本靖彦社長(代読・砂川鐵雄専務)が「自然豊かな環境で育てられたサトウキビを原料にした黒糖は、最高級の品質であることは間違いなく、多良間村のさらなる発展に貢献することになる」とあいさつを行った。
式典後は同村コミュニティー施設で祝賀会が行われた。