高さ基準超を指摘/市景観審議会
ホテル3件は承認/共同住宅など継続審議
市の景観審議会(池田孝之会長)が22日、市役所下地庁舎で開かれ、市の景観計画にかかる6件の建造物の取り扱いについて審議した。この結果、伊良部大橋のたもとに造るヴィラタイプのホテルなど3件は承認したが、伊良部佐和田の浜近くに計画するホテルや平良の共同住宅2件については継続審議とした。建物の高さが景観形成基準を超えているためで、事業者に再考を促した形だ。
市から諮問を受けた案件は▽伊良部池間添のホテル▽平良久貝の簡易宿舎▽市西里の市総合庁舎▽伊良部佐和田のホテル▽平良久貝の共同住宅(2件)-。建物の高さなどが市の景観計画に定めた基準に触れるため審議会に諮られた。
このうち、伊良部大橋のたもとに計画するヴィラタイプのホテルや、平良の簡易宿舎、市総合庁舎の3件は承認した。高さの超過はあるものの、建物の配置や高さが気にならないようにする取り組み、周辺環境との調和等を取る工夫がなされているとして認めた。
ヴィラタイプのホテルは地上2階、地下1階建ての構造。敷地面積は8361平方㍍で、建築面積は1584平方㍍となる。部屋数は24室を計画している。
これらの構造物が認められる一方で、伊良部佐和田の浜の近くに建設が計画されているホテルは継続審議となった。地上4階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで敷地面積は1万9299平方㍍、建築面積は3975平方㍍。客室数は160室以上を計画するが、高さが18・65㍍と基準の7㍍を大幅に超過している。
事業者側は審議会で、下地島空港に降りる観光客の受け皿になることや、災害時の避難所として活用できる利点を挙げた。高さの超過については施設の規模を示しながら理解を求めた。
しかし審議会は、大規模施設が建設されることで景勝地への視界に影響を与えることや、施設を盛り土して建てることから大きな地形改変が起きてしまうことなどを懸念。「盛り土してまで建てることに大きな違和感がある」と高さへの配慮が見られないとする意見が出て継続審議となった。
また、平良久貝の共同住宅についても高さ超過を理由に継続審議とした。緑化対策などの努力は見られるが、21・1㍍という高さが基準の12㍍を大幅に超過していることを重視した。
継続審議となった建造物を建てようとする事業者に対しては、引き続き改善を促す。計画の変更など状況に応じて審議会を開く。