キビ交付金1万6630円/政府・自民党
6年ぶりの値上げ/TPP11発効日に改定
2019-20年産サトウキビ代金にかかる国の交付金単価が、前年度比210円増の1トン当たり1万6630円に決まった。11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の影響で国内産が下落する懸念があり、6年ぶりの値上げとなった。18-19年産もTPP11の発効日(30日)に、来期と同額の1万6630円に改定される。基準糖度は現行の13・1~14・3度が維持する。6日の自民党の野菜・果樹・畑作物等対策委員会で報告、了承された。
今年度は宮古地区で29万9900トン(11月時点)の生産を見込むため、約6300万円の上乗せとなる。工場別の生産見込み量は▽沖糖宮古12万3000トン▽宮糖城辺10万1512トン▽宮糖伊良部5万2000トン▽宮糖多良間2万3406トン-となっている。
19-20年産のサトウキビに関しては、来年度の消費税引き上げに伴う生産コストの増加分を考慮した対応を行う予定という。
サトウキビ増産基金は、来年度以降も自然災害からの生産回復などを支援するため、必要となる所要額を確保し、引き続き措置されることとなった。
災害に強い健全なサトウキビ増産を推進するため、土作りや新品種の導入実証などの取り組み、産地の生産構造安定化に向けた農業機械の導入、生産基盤の整備などを支援する。
農家の収入となるキビ代は、国の交付金と製糖工場から直接支払われる代金で構成されている。製糖工場が支払う代金は砂糖の国際相場に応じて決まる。
キビ代のおよそ7割は交付金であることから、単価の加減は農家の収入に直接影響する。このため、県内の関係団体でつくる要請団が毎年上京し、単価の引き上げと維持を訴えている。
国の交付金制度は、国産品の生産者および製造業者に対し、生産・製造コストと販売額の差額相当を交付する価格調整制度によって運営されている。主たる財源は安価な輸入品から徴収する調整金。「砂糖およびでん粉の価格調整に関する法律」に基づいている。