労働力不足の解消目指す/JA沖縄中央会とアジア人材育成が調印
【那覇支社】JA沖縄中央会(砂川博紀会長)は12日、農業支援外国人の受け入れ事業に関する契約をベトナムのアジア人材育成(ファン・ティ・ハイ・アイン代表)と締結した。少子高齢化などにより労働力不足が指摘されている県内農家を支援することが目的で、来年7月と11月の農繁期に向け、それぞれ外国人40~60人の本格的な派遣を始める。今年度内は、16人の外国人材を派遣しモデル実証を行う。
調印式で、砂川会長は「優秀な人材を安定的に確保するため、実績のあるアジア人材育成との契約に至った。今後、技能実習修了者を即戦力の人材として受け入れ、農家へ派遣する持続可能な体制の構築に向けて取り組んでいく」と意気込みを語った。
アイン代表は「日本も少子高齢化が深刻になりつつある。労働者が不足する中、一人でも多くの良い人材を派遣できるように頑張りたい。困難もあると思うが、着実に一歩ずつ進んでいきたい」と述べた。
県は今年6月、京都府、愛知県、新潟県新潟市に次いで、国家戦略特区「農業支援外国人受入事業」に認定されている。JA沖縄中央会は同制度を活用し、農業現場で顕在化している労働力不足を解消し、生産基盤の強化を目指す。
JAおきなわは、これまで2017年8月から外国人技能実習生の本格導入を始め、現在74人のベトナム人技能実習生を受け入れている。農業支援外国人の受け入れ事業では、帰国後1年以上経過した元実習生などを即戦力の人材として採用するなど、実習制度と連携を図りながら一体的に運用していくという。