県民投票の執行拒否/下地市長
「議会議決を尊重」/辺野古移設、首長で初
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票をめぐり、下地敏彦市長は18日、投開票事務を執行しないと表明した。市議会(佐久本洋介議長)が12月定例会最終本会議で県民投票の予算を削除した一般会計補正予算案修正案を賛成多数で可決し認めなかったためで、首長による執行拒否は初めて。下地市長は「議会議決を尊重して対処したい」として予算執行の権利を行使せず、県民投票を実施しない考えを示した。
県民投票の予算については議会が予算案を認めなかった場合、地方自治法の規定で市町村長は再審議を求める再議に付すべきで、それでも議会が否決した時には、市町村長はその経費を予算に計上し、支出することができるとされている。
下地市長は市議会が県民投票予算を削除した修正案を可決したことを受け再議を求めたが、市議会は県民投票予算を認めなかった。
議会終了後、会見を開いた下地市長は、市議会本会議で予算が認められなかったことについて「慎重審議を重ね、十分熟慮の上での結論だと考える」と述べた。
「市政の運営は議会と執行部の二元制に基づき合意を得て実施することが当然。議会の議決は住民から選ばれた議員が判断したもので、大変重いものがある。これらを踏まえて、議決を尊重して対処する」と表明した。
普通地方公共団体の義務に属する経費である県民投票予算を執行しないことは法令違反になるのではとの指摘に対しては「違反ではないと思う。執行は市町村長の判断でなされるとされているので、そこまでの規定はないと考えている」との考えを示した。
下地市長は、今回の県民投票について「県知事選挙の前であれば意義は理解できる」としたものの、県知事が「知事選で民意は示された」と言っているにもかかわらず県民投票で民意を問うことの意義に疑問を呈す一方で、「今回の判断はあくまで市議会の議決を踏まえ決定したものであることを強調した。
県民投票は県条例に基づき、来年2月24日に実施される。