キビ操業始まる/平均糖度13・80度
平年並みの滑り出し/宮糖伊良部工場
宮古製糖伊良部工場は19日、2018-19年期のサトウキビ製糖操業を開始した。前期より19日遅い操業。初日は403トンの原料が搬入され、平均糖度13・80度だった。基準糖度(13・1~14・3度)内の糖度で平年並みの滑り出しとなった。
今期操業は104日間、来年4月上旬までを予定。今期の全原料は前期比6000トン減の5万2000トンを見込む。
宮古圏域の製糖操業は宮糖多良間工場が17日にトップを切ってスタート。宮糖城辺工場は来年1月11日に開始する。沖縄製糖宮古工場は1月17日に操業を始める。
今期の宮古地域では、5月の梅雨入り後の少雨傾向、7月の記録的な豪雨、台風8号によるキビ倒伏や梢頭部の折損などで甚大な被害を受けた。さらに9~10月にかけての台風24号・25号の相次ぐ接近により生育状況への影響が懸念された。
伊良部工場の今期の作別は、株出し2万2800トン、夏植え2万8000トン、春植え1200トンと予想。
安村勇社長、下地敏彦市長らが、コンベヤーに向かってキビ束を投げ込み、今期操業が本格的に稼働した。
安村社長は「今期の製糖は平成最後の操業となる。台風などの影響を受けた今期産のサトウキビは、生産農家の努力で回復した。何よりも安全操業第一で乗り切っていく。行政や農家の期待に応えたい。無事故・無災害で陸上・海上の安全に万全を期す」と気持ちを引き締めた。
下地市長は「伊良部地区でも生産農家の高齢化が進み、手刈り収穫から機械化による収穫作業へと変化している。今製糖期においては収穫面積の約80%が機械化による収穫と聞いている。今後ともキビ生産振興に努める」と決意を新たにした。
宮古農林水産振興センターの大村学所長(代読)は「伊良部地区においては、現在施工中の国営かんがい排水事業により地下ダム用水の利用が計画され、近い将来には水無し農業からの脱却が図られる。引き続き圃場の整備や機械化の推進、病害虫の防除などに取り組んでいく」と意欲を示した。