TPP参加影響 農家に壊滅的ダメージ/市議会一般質問
キビ320億円、畜産40億円
宮古島市(下地敏彦市長)は環太平洋連携協定(TPP、太平洋を取り巻く国家間の自由貿易協定)に日本が参加した場合、宮古地区の第1次産業に与える影響額(波及も含め)はサトウキビで約320億円、肉用牛を含めた畜産は約40億円に上ると試算した。平良哲則農林水産部長は「関税は完全撤廃され、外国からの輸入品と価格格差が無くなる。その結果、すべて外国産に置き換えられることが予想される」と述べ、農家に壊滅的なダメージを与える可能性があると指摘した。開会中の市議会12月定例会一般質問で砂川明寛氏の質問に答えた。
市長「自衛隊配備、十分論議を」
平良部長は、影響額の根拠をJAが行っている方式で試算したとし、畜産については「高品質のものは残るものの約%が輸入品に置き換えられることになる」と述べた。畜産の影響額の内訳は▽肉用牛億5000万円▽乳用牛1億円▽豚4000万円▽山羊1000万円-などと説明した。
下地市長は、政府の防衛計画の大綱(防衛大綱)で示す南西諸島への自衛隊配備計画について「積極的に誘致する気はないが、国防上どうしても必要というのなら十分論議すべき」との考えを示した。その上で「世の中、だいぶ周辺状況が変わってきている。それに対応するのは必要。賛成、反対を含めてみんなで十分論議すべき時期に来ていると思っている」と述べ、9月議会での答弁から一歩踏み込んだ考えを示した。砂川氏への答弁。
宮古本島の製糖2工場が来年1月7日からの操業を決め、年内操業を見送ったことについて下地市長は「工場側の条件整備が必要という認識のもとで、年内操業を要請してきた。まずは条件整備が先決。そして年内操業という形に持っていきたい」と述べ、来期からの年内操業に向け工場側と話し合いを進めていくとした。
市の男性職員が公金を庁舎外に持ち出し、その後盗難に遭ったとされる問題で長濱政治副市長は「市民には多大な迷惑を掛けた。行政に対する信頼を損ねる結果となった。心からおわびする」と陳謝した。砂川氏への答弁。
同問題で下地市長は、文書で全職員に法令順守の徹底を図ることを通知したとし、「年明けには会計職員を集めて研修会を開催していきたい」と述べ、再発防止に取り組んでいく姿勢を示した。嵩原弘氏への答弁。
この日の一般質問には砂川、嵩原両氏のほか、佐久本洋介、上地博通、前川尚誼の5氏が登壇した。