機械刈り申請 9割に/サトウキビ収穫
農家高齢化で過去最高/課題は雨天時の原料確保
宮古地区の2018-19年産サトウキビ収穫で、ハーベスターを使う機械刈り面積が4629㌶と全体の9割に達し、過去最高を更新した。申請件数は4523件で前期より113件増えている。農家の高齢化に伴う労働力の減退と機械化を印象付ける数字だが、雨天時における原料確保という点で課題もある。
ハーベスターによる収穫はここ数年の主流。手刈りと比べ、はるかに労力がかからないとあって移行する農家は増え続けている。
ハーベスター運営協議会がまとめた最新の申し込み状況によると、全体収穫面積5088㌶に対して申込件数は4629㌶。機械刈り率は%に達した。
地区別の申込件数と面積を見ると、▽平良1293件、1266㌶▽城辺1339件、1464㌶▽下地550件、610㌶▽上野512件、480㌶▽伊良部829件、805㌶-。
機械刈りの比率は▽平良90・6%▽城辺92・4%▽下地93・9%▽上野96・2%▽伊良部84・3%-と各地とも前期より増えた。
労働力の減退を補う機械化の促進は重要で、行政も過去に補助を出すなどして進めてきた。その成果が顕著に表れている形だ。
一方で雨天時の収穫、原料(サトウキビ)の確保をどうするかという大きな課題も浮上している。
雨天時はハーベスターが畑に入れず、必要な原料を確保できない。工場は圧搾機を止めざるを得ず、結果として操業期間が後ろにずれていってしまう。
こうなるとサトウキビの品質の劣化が懸念されるため、ここ数年は関係者の頭痛の種となっている。
関係機関の間では「ここまで機械刈りが進むと、もう手刈りには戻らない」という考えが支配的で、特効薬は見いだせていない。
昨年5月に沖縄総合事務局公正取引室から受けた口頭注意も気になる。1㌧当たり一律4500円に設定されてきた作業料金が、独占禁止法に触れる可能性があると指摘されたためだ。
ただ、今のところ大きな混乱はなく、今期の料金は従来通り4500円が水準になるものとみられる。