最高価格は162万円/子牛初競り
場内、拍手と歓声/砂川さん「牛に感謝」
19日に行われた宮古家畜市場の子牛初競り。最高価格は最初に登場した「1番牛」ではなく、3番目の牛だった。電光掲示板に150万6000円(税込み価格162万6000円)の価格が赤で表示されると、場内は拍手と歓声に包まれた。所有者は城辺保良の砂川盛子さん。牛の名前を上げ「『寿百合』に感謝したい」と興奮気味だった。
50万円から始まった競りは、価格がどんどんつり上がりあっという間に100万円を超えた。
その後も、電光掲示板の価格表示は目まぐるしく上昇。本命だった「1番牛」を超えると「うわー」とどよめきが起こった。
初競りは「ご祝儀相場」が加わり高額な値段が付きやすく、また、演出も兼ねて最初の数頭は市長ら関係者が牛の綱を引いて登場するのが恒例だ。
この日、「寿百合」号の綱を引いたのはJAおきなわの大城勉理事長。「市長が引いてきた牛が最高価格になるかなと思ったが…」と戸惑い気味ながらも「生産者が手塩に掛けて育てた牛を購買者が評価してくれた」と自分のことのように喜んだ。
13日の黒島家畜市場(竹富町)でも「2番牛」を引いて登場すると、同市場過去最高の172万5840円(税込み)の値が付いたという。大城理事長は「今年は良い年になりそうだ」と笑顔だった。
JA宮古地区の荷川取努畜産振興センター長は「理想は1番牛だが、これは購買者が決めること。最初の牛より、後の牛が高くなる場合も過去には何度かある」と話した。
「寿百合」号は去勢で体重345キロ、体高120・8センチ。所有者の砂川さんは、「安茂勝」「福栄」「安福久」「百合勝安」と血統が4代そろって名牛だったことや、競りに出すタイミング(生後271日)が良かったことを上げ「餌の食い込みが旺盛な牛で、おとなしく育てがいのある牛だった。初競りで最高価格は初めて。飼育の励みになる」と大喜びだった。