校舎建設、遅れ拡大/工期内完成に「赤信号」
教委、業者と見直し協議へ
伊良部島小中一貫校
4月に開校する伊良部島小中一貫校建設工事が、当初の予定より大幅に遅れており、昨年12月末時点で全体の63・67%(事業費ベース)しか進んでいない。2月28日の工期内に終えることは不可能とみられ、新校舎での開校は見通しが立たない状況だ。23日には工期見直しに関する市教育委員会と請負業者の協議が行われる。市教委は3月中の引き渡しを求めるが、「現状は厳しい」という声が根強い。業者との協議内容次第では、市教委が代替え案の検討を本格化させる。
市教委が開示した先月末時点の建設工事進ちょく率によると、建築1工区は予定の80・38%に対し64・95%。建築2工区に至っては予定の74・69%を20以上も下回る52・29%と大きな遅れが生じている。
電気、機械、空調の各設備関係も予定をそれぞれ下回っており、本来76・90%に達していなければならない全体進ちょく率は63・67%にとどまっている。
この現状を踏まえた請負業者と市教委の調整協議が23日に市内で開かれる。
市教委幹部は「危機感を持っているが、教育委員会として4月の(新校舎)開校は譲れない」と話し、遅くとも3月いっぱいの建物引き渡しを求める方針だ。
仮に3月完工が難しいと判断した場合、工事を続けながら新校舎を使う道も探るものとみられる。児童生徒の安全の確保や、現場の騒音など通常の授業に支障を来す要因がないと判断すれば、4月から新校舎を使用する選択も出てくる。
ただ、無理に新校舎での開校を急ぐことへの懸念は広がっている。3月いっぱいの引き渡しが可能だとしても、引っ越しや教職員の指導体制の構築に時間を要することから、「現実的ではない。現場が混乱する」という見方も少なくない。
保護者の間でも校舎完成前の使用については反発が出る可能性があり、慎重な協議が求められる。
新校舎建設が間に合わなくても、一貫校は予定通り開校する。このため、当面は既存の学校施設を活用するなど代替え案の検討が急ピッチで進められる。
伊良部島小中一貫校は4月7日に開校式、翌日の8日に始業式を予定。入学式は9日に行われる。