オリオン、MBOに同意
與那嶺社長「新たな創業」
【那覇支社】オリオンビール(本社・浦添市)の與那嶺清社長は23日、記者会見を開き、同日の取締役会で野村キャピタル・パートナーズと米投資会社カーライル・グループに同社の嘉手苅義男会長が参加した形での企業買収(MBO)を受け入れる決定をしたと発表した。嘉手苅会長と與那嶺社長は今後も留任する見通しといい、與那嶺社長は「新たな創業の年という強い気概を持って新たな歴史をつくっていきたい」と語った。
買収は公開買い付けの形で行い、一株当たりの買い取り価格は7万9200円。野村キャピタル・パートナーズとカーライルが設立した新会社(オーシャン・ホールディングス)を通じ、オリオンビールの完全子会社化を目指す方針。現在、オリオンの10%に当たる株式を保有するアサヒビールは、所有株式を売却後、新会社へ約10%相当の出資を行う。嘉手苅会長も新会社へ出資する。
会見でオリオンの亀田浩取締役は、買収を受け入れるに至った理由として▽ビール消費量の減少▽海外事業の不採算▽好調な不動産部門でもホテル競争の激化▽株主の高齢化▽敵対的買収の脅威-などを挙げ、「(沖縄企業として存続するため)MBOを選択した」と強調した。
今後は、県内市場の営業体制やマーケティング戦略の再強化、海外事業の収益化のほか、ホテル・不動産事業の収益性向上を図る。会見に同席した野村キャピタル・パートナーズの前川雅彦社長は「5年をめどに、沖縄の資本にどう戻すかを考えている。また、数年後には株式上場を目指す。世界と勝負する会社にしていきたい。若い世代の社員が誇りを持てる真の沖縄の企業にしていく」と語った。