適切な飼育環境目指す/宮古馬飼養問題
ソフト面の支援提案/日本馬事協、飼養者らと協議
宮古馬の視察に訪れている日本馬事協会と日本中央競馬会(JRA)の関係者らは24日、市役所城辺庁舎で宮古馬の飼養者と宮古馬保存会の事務局(市教育委員会生涯学習振興課)と意見交換を行い、適切な飼育環境を目指して現状における課題や今後の活動などについて話し合った。同協会側からは宮古馬の活用幅を広げるためにも馬の「調教」に向けたソフト面の支援などが提案された。
今回の意見交換会には宮古地区の飼養者5人のうち、3人が参加して、それぞれの意見や飼養の現状などが報告された。
これまでの飼養状況の視察を踏まえて、同協会の伊藤克己副会長は「宮古馬を飼うことに対する飼養者たちの苦労は馬に対する情熱がなければとてもできないし、本当に敬意を表したい」と感謝した。
その上で「今回の問題についても、その人だけが悪いのではなく、今の飼養形態の中ではどこでも起こりうる事象であり、不幸な事故を踏まえて飼養管理のあり方を考えて行くことが大切」と述べた。
今回の意見交換会は非公開で行われ、終了後の取材で同保存会側は「協会側からは、飼養だけでなく、宮古馬の活用の幅を広げるための『調教』について、講習会への人材派遣などソフト面で協力できることが示された」と述べた。
また、保存会側からも飼養者に対しては宮古馬の餌となる青草について、ボランティア作業などで除去された草なども餌として提供できるような環境を整えることなども提案されたという。
そのほか、伊藤副会長からは「私たち協会と宮古馬保存会が一緒になって種の保存に向けた取り組みを今後もやっていくことが大切。これからも保護と活用をテーマにした事業を進めていきたいと思っている」との見解も示された。