九州、全国大会で発表へ
ソテツ保護の研究成果
宮高科学部
昨年開催された県高等学校総合文化祭と高校生による生物科学展で好成績を収め、九州大会と全国大会への出場決めた宮古高校科学部のメンバーが29日、同校で喜びの報告を行うとともに、今後の活躍に意欲を示した。
同部は、昨年10月に開催された県高等学校総合文化祭の自然科学部門で優秀賞に輝き、今年7月には県代表として全国大会出場を決めた。
さらに、昨年11月の高校生による生物科学展で最優秀賞を受賞して2月1日に佐賀県で開催される九州大会にも派遣される。
同部の山城若奈部長は「私たちの研究が宮古島のソテツを守るための対策として生かされてくれればうれしい。九州、全国大会では沖縄らしい発表でソテツのことを伝えたい」と意気込みを示した。
指導に当たる儀間朝宜顧問は「生徒たちは研究を通して環境保全に対する姿勢が成長した。九州や全国大会でものびのびのと発表してほしい」と述べ、部員たちのさらなる活躍に期待を寄せた。
同部の研究テーマは「宮古島産クロマダラソテツシジミの季節消長と分布状況~ソテツを守る方法を探れ~」。
クロマダラソテツシジミは、幼虫時代にソテツを食草し、その食害が問題となっている。
同種はもともと、東南アジア周辺で分布していたが、1992年に沖縄で発見されてから北上を続け本州、四国、九州でも確認されている。
同部の研究では、1年間の食害の状況を数値化。成長の個体数は気温と同調しているしている様子などが示されている。
さらに、ソテツにクモの巣がある場合は食害の影響が減っていることや、カマキリが同シジミを補食していることも確認されたことから、捕食するクモやカマキリがソテツ保護へつながる可能性なども示されている。