県議会「3択」可決/県民投票
宮古島市「全員協で議論」
座喜味氏「反対」、亀濱氏「賛成」
【那覇支社】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票について29日、県議会臨時会は選択肢を「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択とする条例改正案を賛成多数(賛成36人、反対5人)で可決した。採決では、自民党会派の2人が退席したほか、5人が反対に回った。座喜味一幸氏(沖縄・自民党)は反対し、亀濱玲子氏(社民・社大・結)は賛成した。
本会議採決では、自民党会派から反対が出たことで全会一致とならない結果となった。ただ、不参加を表明してきた5市長と連絡を取った謝花喜一郎副知事は会見で、「全会一致にならなかったことで『実施できない』という市長は一人もいなかった」「宮古島市の下地敏彦市長からは、(31日に予定されている)議員全員協議会で決めたいと発言があった」と述べた。このほかの市長も投票実施に前向きとみられ、県民投票が全県で実施される公算が出て来た。
採決で反対した座喜味氏は「県民投票(の対象となる辺野古埋め立て)は国政に関することだ。宮古の場合は、尖閣を含めて特殊な事情にある。辺野古に関しては最高裁の判断も出ており、(現在も)裁判の最中にある。そういう中での県民投票は、基本的にそぐわないと思う」「(下地市長とは)全く連携を取っていない。議員としての立場で反対した」と語った。
賛成した亀濱氏は「(賛成、反対の)2択でとの思いはあったが、議長あっせんで全市が(投票)できるのであれば3択という条件が出た。多くの市民の投票権を確保するため苦渋の選択をした。(全会一致にならなかったことは)信じがたい。自民党も一つになってほしかった」「ここまで来ているので、宮古島市も投票ができるように努力してほしい」語った。
条例改正案の可決を受け、玉城デニー知事は会見で「全会一致で議決いただけなかったことは残念だが、自民党を含め全ての会派の議員から賛意が示され賛成多数で可決されたことは意義深い」「県民の皆さんは、積極的に投票に参加して自身の意思を示してほしい」とのコメントを発表した。
自民党県連の照屋守之会長は採決後、「幹事長に会長の辞職届を提出した」と述べた上で、「5市は、ぜひ3択で県民投票を行い、全県民に投票の機会を与えてほしい」と語った。