キビ品質、上昇の一途/18-19年産
製糖工場はフル稼働/天候恵まれ機械刈り順調
2018-19年期サトウキビ製糖操業が順調だ。各地の製糖工場は天候に恵まれてフルに稼働、計画通りの圧搾作業が続く。本島内製糖2工場に搬入される原料(サトウキビ)の品質は上昇の一途で、累計の平均糖度は13度台後半と基準糖度(13・1~14・3度)帯に達している。島の基幹産業が、例年以上に活気付いている。
今期の製糖操業は、出鼻をくじかれた。雨の影響で機械刈り収穫が進まず、各工場とも十分な原料を集められなかった。このため工場を止めたり、圧搾時期をずらしたりして急場を凌ぐ対応を強いられた。
ただ、1月18日以降は天候に恵まれて各工場ともフル操業を続けている。それぞれハーベスターで刈り取られた原料がどっさり入る毎日で、「まれに見る順調さだ。怖いくらいだよ」と話す工場幹部もいる。
搬入原料の品質も日々上昇している。昨年12月17日に宮古地区のトップを切って今期操業を始めた宮古製糖多良間工場の3日現在の平均糖度は14・36度と基準の糖度を超える実績だ。
開始当初の品質と比べると0・7度の上乗せで、1㌧当たりの農家平均手取額も2万2000円と高い。
1月11日に操業開始した宮糖城辺工場の平均糖度は13・63度。ここまで右肩上がりで推移しており、14度台到達も目前に迫る。
宮古地区内では最も遅い1月17日に操業を始めた沖縄製糖宮古工場の平均糖度は13・84度と良い。日計では14度台が続いており、高品質取り引きが続く。
地区内で唯一、宮糖伊良部工場の品質がやや停滞している。平均糖度は13・54度で例年に比べて伸び悩んでいる。ただ、基準糖度帯には達しており、ここからの上昇が期待される。
同工場では「圧搾作業は極めて順調だ。品質はここのところ横ばいの状態が続いているが、2月に入っているので今後の上昇に期待している」と話した。
天候に恵まれて計画通りに進む製糖操業だが、課題そのものが解消されたわけではない。雨が続く場合の原料確保の問題が残る。
沖縄製糖宮古工場の砂川玄悠専務は「9割が機械刈り収穫となった今、何らかの対策を講じなければならない」と話し、雨続きによる機械刈りの停止、原料の不足、製糖期間の延長という最悪の事態を想定した対応の重要性を指摘した。